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ディスプレイ上の美少女を見てひたすらニヤニヤするブログ
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04 . December
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闘神都市Ⅲ (ALICE SOFT)  評価 ★★

 *ネタバレが含まれるためゲーム本編終了後に読まれることをお勧めします。

  アリスソフトの大作ゲーにおける評価ポイントに主人公が魅力的であるという点が挙げられる。大悪司における『山本悪司』然り、ランスシリーズにおける『ランス』然り。またランスはアリスソフトを代表するようなキャラクターだ。アリスソフトの名作と呼ばれるような作品にはこのような一癖二癖持った魅力溢れる主人公が登場している。今作の主人公『ナクト・ラグナード』は上記の人気主人公達に比べると突出した特長が無い。魅力溢れる主人公かと問われたら答えは否だ。

  ゲーム開始直後のナクトは平凡な少年であり、状況に流されやすく幼馴染のヒロインを筆頭に様々なキャラクターに助けられて、ようやく一人前程度の少年だ。所謂努力型の萌えゲー的テンプレ主人公と言える。何が口惜しいかと言えば、後に良主人公だと言われる可能性を秘めていたにも関わらず化けきれなかったことだ。

  今作で一番の盛り上がりを見せるシーンと言えば闘神大会参加1年目の決勝戦で敗退し、羽純・フラメル、レメディア・カラーのダブルヒロインが捕らえられナクトが自分の無力さに絶望する場面だろう。ここで流れるOPムービーはこの場面からアザミの再登場を経て大会参加2年目への移行を巧く支えており演出面でかなり良い仕事をしている。

  一度挫折を味わったナクトが空白の期間に180度変わるくらいの変化をしていたら評価はがらりと変わっただろう。しかしナクトは相変わらず平凡な少年のまま。状況に流されやすいく、大切な人を取り戻すという必死さが伝わってこない。これはシリアスになりきれないシナリオに問題があるし、女性キャラに誘惑されればホイホイセックスに突入してしまうナクトの軽さにもあるだろう。そのくせ逆レイプされそうになったら逃げ出すなどヘタレとしか言えない行動を次々とやってのける。OP時点をN(0、0.9)とした正規分布、確率密度関数のグラフの形状を思い描いて頂けると私のモチベーションが良く判りそうです。

  OP後も序盤のコメディー展開を引っ張りシリアス展開に徹しきれなかったため、予定調和で進む話に面白味を感じられず、各方面のユーザーから叩かれない様に予防線を張り巡らしたご都合主義的展開にも嫌気が差してしまった。レメディアはまだしも羽純が処女のままっていうのもどうなのだろうか。ボルトさんなら影で肉奴隷にするくらいはやってのけそうなものだと思うのだが。そもそもダブルヒロインを立てたこと自体失敗しているようにも感じた。ナクトは最終的に誰を愛しているのかすら解らないのだから。

  自分にとって誰が、もっとも大切な人なのかを主人公自身から明確にされないため、物語後半の主題である『一度失った大切な人を取り戻す』という戦い自体がぼやけてくる。結局レメディアを一度死なせることによってナクトの心中はうやむやのまま、ご都合主義で物語は幕を閉じる。

  シナリオの問題点は上記で示したようにシリアスに徹しきれなかったことに尽きる。主人公を世間知らずな甘ちゃんから変化させなかったことに何の目的があったのかライターの意図が理解出来なかった。

  ハーレムゲーにしたかったのであればGALZOOアイランドのようにすれば良かったのだろう。あちらの主人公もスペック的にナクトと変わりが無いが、ナクトのようにダメさが滲み出ていない。と言うのもGALZOOアイランドは非力な主人公が女の子モンスターたちの協力を仰ぎ、皆の協力の下にイカ男爵に立ち向かっていく物語だからだ。それにくらべ闘神都市Ⅲは主人公が『大切な人を取り戻す』ために戦う物語。非常にストイックな戦闘システムが間接的に今作の主人公の本来のあり方を表現しているのではないだろうか。

  OPを期に主人公は変わるべきだった。本来であれば変わらざるを得なかったはずだ。ただの甘ちゃんの少年が自分にとって最愛の人を守り抜くことなど果たして出来るのだろうか。普通に考えたら無理だとしか言いようが無い。ご都合主義と凡主人公が悪いものだとは全く思わないが、使い方が肝要だろう。今回の主人公像は物語の主題を語る上ではマイナス要素が大きく失敗しているとしか言いようがない。



  ここから雑感

  今回インプレを書いているうちに思ったのですが、アリスの作品って大作になればなるほどサブキャラが物語のピースとしてしか活きていないものが多いよなってことです。ランスシリーズとはその最たる物。犯り捨てポイだもんねwだけど気にならないのは主人公がランスだから。主人公を魅力的に描ければ細部など気にならなくなるのだから不思議。

  RPGパートも自由度0でグダグダ過ぎたため物語の方を主人公を核にして考えてみたのですがどうも辛口になってしまいました。RPGパートもいちいち言及しているとキリがないので過去の雑記でも読んでいただければなんとなく不満点が判るかと思います。OPムービー流れた時のテンションの高まりをどこにやれば良かったのか、口惜しい限りです。次回の大作ゲーには期待したいです。

  お気に入りヒロイン:アザミ・クリケット
やばい可愛かった。褐色の少女キャラで初めて気に入ったヒロインかもしれません。
2部スタートの鍵になったヒロインだったのでどんな着地を見せるのかワクワクしていただけに終盤のフェードアウトは残念過ぎます。

※関連記事
  闘神都市III(ALICE SOFT) プレイ雑感
  闘神都市Ⅲ 攻略中
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無題
確かにOPは非常に盛り上がりましたね。
「大切な人を取り戻す」的な話は結構好きなので、一年後の主人公が少しでも成長している事を期待したのですが、ほぼ同じだったのはある意味驚きでした。
個人的に少年臭さが残る主人公は好きなのですが、あそこまで考えなしだとプレイしていて怖くなりましたね。殺されてもおかしくないだろ、これ…ってなシーンが後半は特に多かったように感じます(悪魔達が変に良心的だったので助かってましたが…)。
その他にもエンディング等不満な部分は多々ありましたが、最近アドベンチャーばかりやっていた自分にとっては、久々に夢中になれるゲームではありましたね。
いちさん / 2008/12/11(Thu) / 編集
Re:無題
>いちさん
やはりOPムービーは演出的に考えて素晴らしかったですね。
あそこを境にして前半と後半で差別化を図って貰えたらもっと良かったのかなぁと思います。

>最近アドベンチャーばかりやっていた自分にとっては、久々に夢中になれるゲームではありましたね。
エロゲーと言えばADVばかりですから、SLG、RPGは本当に貴重ですね。
ゲーム性が無い作品が多いゲーム業界なので、アリスソフトを初めとする「遊べるゲーム」を製作されるソフトハウスさんには頑張って貰いたいですね。

拙いインプレにコメント頂きましてありがとうございました。
【2008/12/13 03:34】
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