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ディスプレイ上の美少女を見てひたすらニヤニヤするブログ
22 . November
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27 . January
DigitalCute
むすめーかー (Digital Cute) 評価 ★★★★

 「むすめ育成調教SLGADV」と言うジャンルからしてこの作品のニッチさを感じられることでしょう。逆説的に言うと人によっては物凄いフェティシズムを感じられるジャンルなのですが。内容は期待していた以上だったのでとても満足しています。ロリ好き、調教好きを自負する自分にとってはまさに至高の作品でした。処女作でマイノリティーであろう嗜好作品をリリースしてきたデジキューを一人のエロゲーマーとして高く評価したいです。次回作以降の作品展開に期待せざるを得ません。

■貴重なジャンル「ロリ調教」

 ロリ一直線とは本作のためにあるような言葉です。二次元ロリコンが求めているものは何か?小動物の様な愛らしさと幼さ(精神的・またそこから派生する言動など人によってニーズは様々)を併せ持つヒロインです。けしてただ頭身が低く傍から見て痴呆のようなヒロインではありません。処女作でこんなジャンルに手を出した製作陣ですから、上記のようなロリゲーのもっとも重要な要素を履き違えてはいません。

 「むすめ育成調教」と冠するだけあってむすめたちを健やかに育成することも調教と称してがっつり責めることも可能です。SLGパートでの主人公の行いによってマルチエンドを用意してあるのでどのような結末を迎えるかはユーザー次第。むすめたちとほのぼのとした生活を送ることも、嗜虐心を満たすために調教を課すこともプレイヤーの自由です。

 私が一番評価したいのは調教パートです。理由の一つはN・A・T・Sシステムを使ってユーザーのやりたいように出来るという優れものだったことです。スパンキングや蝋燭責め、鞭責めなどをリアルタイムアニメーションで行えるゲームは初体験でした。このゲームシステムは衰退しつつある調教系SLG、ADVにとって光明に為り得るかもしれません。なんと言ってもおしりに蚯蚓腫れつけるのが堪らない快感です。こういった感覚が解る紳士諸君にとっては危険なシステムかもしれません。(当たり前ですが、やりすぎるとゲーム進行上大きな妨げになってきます。)

■ロリゲーと侮ることなかれ。抜きゲーとしての完成度は上々。

 抜きゲーとしてエロシーンの完成度は上々です。アイテムによってブルマを穿かせたり、メガネをかけさせてみたり、ちょっとした遊びにニヤリとできます。ヒロイン、サブヒロインを併せてエロシーンのボリュームで不満が出ることはないかと。また各キャラごとにアイテムの使用と調教の深化で見られるハードプレイ、BADエンド直前での凌辱シーンはなかなか良い趣味をしています。アナルフィスト・口虐・輪姦・精液噴水・触手串刺しなどなど。スカや完璧な精神崩壊こそ在りませんが、凌辱一本ではなくキャラ萌えに重きを置くロリゲーでこういったシチュエーションを拝めること自体大分稀なことです。ロリ凌辱自体が残念ながらマイナージャンルですし...

 抜きゲーとして優秀であったことが本作の価値を高めていることは間違いの無いことでしょう。ロリゲーマー及び鬼畜ゲーマーは刮目すべし。両方の嗜好を併せ持った自分の感想としては次の一言で十分。

「ぁ・・ぁぁ・・・。 ありがてぇ! ありがてぇ!」


■今作で露呈した問題点を次回作以降でどう改善するかが肝要

 さてこれまで散々褒めてきたのですが、勿論改善すべき点はあります。N・A・T・Sシステムを初めUI・ゲームエンジンが新規立ち上げブランドにしては珍しく全て自社製でしたがバグフィックスが完全ではなく、プレイにこそ支障が無くなりましたが現在の最新パッチ(ver1.33)でも細かなバグは解消されていません。これは次回作以降もっとも力を入れるべき改善点です。発売前からの連日のアップデートがありましたが、以前のバージョンでのセーブデータが流用出来ずプレイを途中で放棄してしまったユーザー層もいたはずです。そういった層を疎かにすることはメーカー側にとって得策ではありません。バグがあるにも関わらず発売日当日からプレイを開始していたユーザー層は間違いなく本作に期待を抱いていたユーザーなのですから。ソフトハウスとして地位を確立するにはそういった層からの信頼を勝ち得ることがとても重要でしょう。次回作以降では安定したシステムの搭載を期待したいです。

 ~ここから雑感~
 ネタバレ無しで「むすめーかー」の「核」であるロリ調教の貴重さ、そして抜きゲーとして完成がどれほどのモノだったかを書いたつもりです。シナリオは分かり易い敵役を登場させたりとgdgd感が溢れんばかりでしたが、真ヒロインを用意していたりゲーム終盤に人情話を展開させたりと頑張った方ではないかと。キャラ萌えのお飾り程度なのであんまり頑張られても困りものですし、今回程度のテイストで十分かと。

 ヒロインについてですが、かりんが極悪的に可愛い。エロシーンで―それも調教中に―萌えさせられる、というのもなかなか乙です。口鼻虐が堪らんのです。3回目、4回目と数をこなしていくほど物凄く従順になっていく彼女に僕はもう・・・と言った感じで。ツンデレが妙に活きていたヒロインだったのではないかと。

 サブヒロインについてですが少々ボリューム不足気味。ゆずの様な変り種はともかく、ざくろと、すいかにはしょんぼり。特にすいかはエロシーン少なすぎて泣きそうです。OHPでのキャラ紹介でメイン3人と他で分けるくらいはした方が良かったかもしれません。扱いがあからさまに違うので。

 ゲームシステムについてはそこそこ良かった。SLGパートの難易度・手間が丁度良い塩梅でした。調教パートがもっと細かく(それこそDEEPなどの本格的調教ゲーのように)あったりしたら神ゲーだったやもしれません。ここら辺は次回作以降に期待したいのです。調教SLGというジャンルはもう時代遅れなのかなぁ。

 お気に入りヒロイン:かりん
フェラも多いし、ツンデレが板についた良ヒロインでした。メガネ姿がめっちゃ可愛かったので立ち絵も欲しかったかも。


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13 . December
戯画
さかあがりハリケーン ~LET’S PILE UP OUR SCHOOL!~ (戯画) 評価 ★★★

*ネタバレが含まれるためゲーム本編終了後に読まれることをお勧めします。

  主人公が中心となって文化祭開催まで持って行く過程が今作の肝。・・・・・・なんだけど悪く言ってしまうとそこで話が終わってしまっている。(共通+個別の初め)でこの様子が描かれるのだけど美味しい部分をそこに全部盛り込んでしまって、後半の個別ルートは軒並み失速している。

  主人公と愉快な仲間たちが奔走する様子をテンポ良く描けているので中弛みは無い。プロローグからの突き抜ける様な勢いで進む共通ルートは成功だと言っていい。残念なのは話のキーポイントとして設定された文化祭当日を各ルートで巧く組み込むことが出来ていなかったこと。意図的に外したのであれば個別ルートの割合をもう少し増やすべきだった。

  さて、今作は思い切って不要な日常シーンを切って短く纏めていたのですが、これはこれで印象が良かったです。ある程度成功しているとは思える。ダラダラと日常シーンを垂れ流しにする古典的なエロゲー展開ってテキストが良好だったりキャラ立ちがしっかりしていない限り楽しめないものだと思うので。(HOOKの作品を思い浮かべてもらえれば、特有のダルさって言うのが思い浮かべられるかも)

  そうして贅肉を削いでスタイリッシュに作られた各ストーリーなのですが半分成功、半分失敗している。(共通+個別の初め)ルートは「主人公の物語」、残りの個別ルートは「ヒロインの物語」という構成にしているんだけど、後半の「ヒロインの物語」が「主人公の物語」と比べて扱いがおざなり。それが原因で後半部分が目立って希薄な印象を受ける。

   唯一奈都希ルートだけはピークを文化祭に合わせていたので短いながら纏まったシナリオに見えた。「主人公の物語」に「ヒロインの物語」も混入できていたのが他ルートとの違いでしょうか。

  ハルのルートを例に挙げると「妊娠」が大きな事件となって話が展開していくのだけれど、この話は二人の決意の段階でエンディングを迎えてしまい、必ずあるであろう障害や困難を乗り越える過程は描かれていない。前半の「主人公の物語」では乗り越える過程がしっかり書かれていたのに対して後半の「ヒロインの物語」においては過程がすっぽり抜けている。そこまで描ききるのであれば後半部分は共通ルート並の分量は必要だったはず。他のルートでも言えることだけどやはり後半の尺が少ない。と言うか付き合い始めた後の、イチャらぶが全然足りてないんでないかい?・・・・・・とぼくは思うのですよ。

  総評として纏めるとやっぱり色々と勿体無い。ゆかりと涼のルートは二人併せて一つの話になっているのに、ことの真相が語られないゆかりルートが割を食う形になっていたりと、バランスの悪さは随所に見られます。がしかし駄作、凡作と斬って捨てるのはあまりにもったいない作品。何度も言うようだけど勢いは素晴らしかった。どんどん読み進められるというのは良作の必要条件。あとはゲームとして全体のバランスと少しの遊び(サプライズ)があれば大分評価も変わってくるはず。そういう意味で今回であればハルルート辺りにもっと力を入れても面白かったのかもしれない。

  お気に入りヒロイン:綾瀬奈都希
互いに惹かれあった後に甘えん坊気質が出るあたりはツンデレの鏡。普通に可愛かったな。



04 . December
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闘神都市Ⅲ (ALICE SOFT)  評価 ★★

 *ネタバレが含まれるためゲーム本編終了後に読まれることをお勧めします。

  アリスソフトの大作ゲーにおける評価ポイントに主人公が魅力的であるという点が挙げられる。大悪司における『山本悪司』然り、ランスシリーズにおける『ランス』然り。またランスはアリスソフトを代表するようなキャラクターだ。アリスソフトの名作と呼ばれるような作品にはこのような一癖二癖持った魅力溢れる主人公が登場している。今作の主人公『ナクト・ラグナード』は上記の人気主人公達に比べると突出した特長が無い。魅力溢れる主人公かと問われたら答えは否だ。

  ゲーム開始直後のナクトは平凡な少年であり、状況に流されやすく幼馴染のヒロインを筆頭に様々なキャラクターに助けられて、ようやく一人前程度の少年だ。所謂努力型の萌えゲー的テンプレ主人公と言える。何が口惜しいかと言えば、後に良主人公だと言われる可能性を秘めていたにも関わらず化けきれなかったことだ。

  今作で一番の盛り上がりを見せるシーンと言えば闘神大会参加1年目の決勝戦で敗退し、羽純・フラメル、レメディア・カラーのダブルヒロインが捕らえられナクトが自分の無力さに絶望する場面だろう。ここで流れるOPムービーはこの場面からアザミの再登場を経て大会参加2年目への移行を巧く支えており演出面でかなり良い仕事をしている。

  一度挫折を味わったナクトが空白の期間に180度変わるくらいの変化をしていたら評価はがらりと変わっただろう。しかしナクトは相変わらず平凡な少年のまま。状況に流されやすいく、大切な人を取り戻すという必死さが伝わってこない。これはシリアスになりきれないシナリオに問題があるし、女性キャラに誘惑されればホイホイセックスに突入してしまうナクトの軽さにもあるだろう。そのくせ逆レイプされそうになったら逃げ出すなどヘタレとしか言えない行動を次々とやってのける。OP時点をN(0、0.9)とした正規分布、確率密度関数のグラフの形状を思い描いて頂けると私のモチベーションが良く判りそうです。

  OP後も序盤のコメディー展開を引っ張りシリアス展開に徹しきれなかったため、予定調和で進む話に面白味を感じられず、各方面のユーザーから叩かれない様に予防線を張り巡らしたご都合主義的展開にも嫌気が差してしまった。レメディアはまだしも羽純が処女のままっていうのもどうなのだろうか。ボルトさんなら影で肉奴隷にするくらいはやってのけそうなものだと思うのだが。そもそもダブルヒロインを立てたこと自体失敗しているようにも感じた。ナクトは最終的に誰を愛しているのかすら解らないのだから。

  自分にとって誰が、もっとも大切な人なのかを主人公自身から明確にされないため、物語後半の主題である『一度失った大切な人を取り戻す』という戦い自体がぼやけてくる。結局レメディアを一度死なせることによってナクトの心中はうやむやのまま、ご都合主義で物語は幕を閉じる。

  シナリオの問題点は上記で示したようにシリアスに徹しきれなかったことに尽きる。主人公を世間知らずな甘ちゃんから変化させなかったことに何の目的があったのかライターの意図が理解出来なかった。

  ハーレムゲーにしたかったのであればGALZOOアイランドのようにすれば良かったのだろう。あちらの主人公もスペック的にナクトと変わりが無いが、ナクトのようにダメさが滲み出ていない。と言うのもGALZOOアイランドは非力な主人公が女の子モンスターたちの協力を仰ぎ、皆の協力の下にイカ男爵に立ち向かっていく物語だからだ。それにくらべ闘神都市Ⅲは主人公が『大切な人を取り戻す』ために戦う物語。非常にストイックな戦闘システムが間接的に今作の主人公の本来のあり方を表現しているのではないだろうか。

  OPを期に主人公は変わるべきだった。本来であれば変わらざるを得なかったはずだ。ただの甘ちゃんの少年が自分にとって最愛の人を守り抜くことなど果たして出来るのだろうか。普通に考えたら無理だとしか言いようが無い。ご都合主義と凡主人公が悪いものだとは全く思わないが、使い方が肝要だろう。今回の主人公像は物語の主題を語る上ではマイナス要素が大きく失敗しているとしか言いようがない。



  ここから雑感

  今回インプレを書いているうちに思ったのですが、アリスの作品って大作になればなるほどサブキャラが物語のピースとしてしか活きていないものが多いよなってことです。ランスシリーズとはその最たる物。犯り捨てポイだもんねwだけど気にならないのは主人公がランスだから。主人公を魅力的に描ければ細部など気にならなくなるのだから不思議。

  RPGパートも自由度0でグダグダ過ぎたため物語の方を主人公を核にして考えてみたのですがどうも辛口になってしまいました。RPGパートもいちいち言及しているとキリがないので過去の雑記でも読んでいただければなんとなく不満点が判るかと思います。OPムービー流れた時のテンションの高まりをどこにやれば良かったのか、口惜しい限りです。次回の大作ゲーには期待したいです。

  お気に入りヒロイン:アザミ・クリケット
やばい可愛かった。褐色の少女キャラで初めて気に入ったヒロインかもしれません。
2部スタートの鍵になったヒロインだったのでどんな着地を見せるのかワクワクしていただけに終盤のフェードアウトは残念過ぎます。

※関連記事
  闘神都市III(ALICE SOFT) プレイ雑感
  闘神都市Ⅲ 攻略中
30 . October
Lillian  
ティンクル☆くるせいだーす
 (Lillian)  評価 ★★★

  3年振りのカンナギレイ原画の作品ということで発売日にゲットしていました。元々ボリュームが有る作品なのですがやり込み要素も多く―――サブキャラルートの攻略、トロフィーの収集、ACTパートのバトル・・・etc―――ひとまず区切りを付けるまで時間が掛かることは必至。約一ヶ月間ちょろちょろプレイし続けたのにも関わらずフルコンプに至っていないというのは一体どういうこと?(完全五人ユニゾンはともかく200時間以上のプレイはチョットマテト・・・)

■華麗なヴィジュアル面

  今作の一番の売りは、派手なエフェクトを駆使したバトルパートに代表されるようにヴィジュアル面が非常に良いことでしょう。通常サイズで1024×614の高解像度ワイド仕様。背景アニメーションや、立ち絵も豊富でヒロインの表情もコロコロ変わり、画面の中をキャラクターたちが所狭しと動き回ります。ヴィジュアル面の完成度は現時点での業界最高峰と言ってもいいでしょう。まさにエクセレントな出来です。エロゲー業界では2世代、3世代前のマシンを対象にするような低スペックでプレイ可能な作品が多い中でよく挑戦したと褒めたいほど。

■どうやっても「プリっち」と比べられる「クルくる」

  OHPでの売り文句の多くに―――前作「プリンセスうぃっちいず」と比べて~―――という言葉が多く使われています。メーカー側が前作を意識して製作していることから、ユーザー側も前作「プリンセスうぃっちいず」と今作「ティンクル☆くるせいだーす」を比べてしまうのは自明の理でしょう。

  前述したようにシステム面、特にヴィジュアルの向上は文句の無いところですが、プリっちで好評だった萌えエロ展開はどこへ行ったのでしょうか?プリっちのいつどこで誰とHし始めるのか分からないという萌えゲーとしては少々危ういエロス展開が大好きだった自分としては残念としか言いようがありません。萌えゲーとしては破天荒ながらwktkな展開を見せたプリっちに比べるとクルくるはなんとも平凡な優等生タイプの萌えゲーとでも言うべきでしょう。総評として言ってしまうと激しく平凡としか言いようの無い内容です。

  シナリオライターは丸谷秀人氏、しげた氏、中本穂積氏の御三方。このうち中本氏はご本人のサイトから1キャラルートを担当したことが分かりましたが、全ルートがこれといった特徴が無くシナリオは凡庸。誰がどのヒロインを担当したのかよく判らないことからライターがそれぞれの持ち味を出すように作られた作品とは言い難いでしょう。丸谷秀人氏にはシナリオ面が絶賛されるような代表作があり、しげた氏は前作「プリンセスうぃっちいず」のメインライターです。私自身この陣容で平凡な内容の作品が出てくるとは考えてもいませんでした。

■そこはかとなく漂う「メディアミックス化」臭

  ここで一つ疑問が出てきます。個性的とも言うべきライター陣が製作に関わっているのに何故、平凡な内容の作品となったのでしょうか?クルくるが平凡な萌えゲーとして製作されたのはライター陣に問題があるのではなくメーカーであるLillianに問題があったのではないでしょうか。

  エロシーンは分割での水増し、個別ルート終盤でのおまけのような扱いを見ればOHP上での売り文句は大袈裟としか言えません。鍛えられたエロゲーマーなら特別に印象に残るようなシーンもなかったのではないでしょうか。おっきして堪らない!といったことは私の場合ありませんでしたし。また『おまけ』程度のエロシーンが無くとも作品として成り立ちますからエロシーンをとっぱらうことも容易でしょう。

  シナリオ自体が平凡と前述しましたが対象が中高生向きといった感じです。世界の危機もなんのその。愛と友情とガッツで解決!ついでにヒロインたちの悩みやわだかまりなんかも解けて大団円!という、分かり易さ重視と言えば聞えがいいですが、萌えキャラで引っ張っていけばどうにかなるだろ。といった何の捻りも無い内容です。

このようなペラペラな中身になったのはメーカーがメディアミックス化を狙ったことが原因ではないかと私は考えています。

  多数に受け入れられるように癖の無い(尖った部分の無い)シナリオにするようライター側にメーカーが指示をしたのではないでしょうか。アニメやCS化を前提として作ったと考えれば上で述べた疑問がすっきり説明がつきます。ライター陣の過去作と比べても今作は挑戦的な内容のタイトルとは考えられず、寧ろ様々な規約の中で窮屈に作ったと考えるとしっくりきます。

  何が不満かと言えば、『萌えエロ展開ががっかりだった』の一言に尽きます。プリっち序盤のおバカ&エロス展開が終始続くものをクルくるに求めていたのは私だけではないはず。十分ニーズはあると思うのですがどうなんでしょうか。

■総評という名の愚痴と後書き

  散々扱き下ろしてしまった訳ですが、案外僕自身は楽しんでプレイしていました。期待していた萌えエロ展開がどこかへ行ってしまったのが悔しくて悲しくて気付いたらこんなにグチグチ書いてたのは僕がどうしようもないエロゲーマーだからです。ごめんなさい。

  内容はネタバレするまでもペラペラなのですが作品の雰囲気は凄く好きです。私は即物的にキャラに萌えられるのでニヤニヤもできました。物語ありきでキャラに萌えを感じるタイプじゃなくて良かったぜと下卑た笑いも浮かべておりました。が、やはりこの作品をやればやるほどメディアミックス化が前提で作られたんだろうなぁと口惜しくなってしまう訳です。

  上でふれなかったのですが公開されていないので言及しませんが声優陣も裏名義もあるけど基本的に表名義で活躍されている方や、エロゲー初出演じゃないかと思われる方などが多くもろCS化狙ってますよね(笑)みたいに考えてしまうボクは大分すれてしまっているのでしょう。

  しかしCS移植を前提に作られていると考えるとボクみたいな純粋なエロゲーマーとしてはなんだか悲しくなってしまうのです。例えるなら人気のなくなってきたアイドルがだんだん汚れキャラとして地位を確立してしまうような悲しさ。状況が逆じゃないって突っ込みは要りません。意味不明ですが『あんな可愛い子が股を開かない訳ないじゃないっ!』といった心境です。こんなに長くつらつら書いてきてなんですが、エロゲー作っているのだからエロに力入れないでどーすんの!ってことが言いたかっただけです。

  総じて好きである要素はあるのだけれど気に食わない部分もあるといった非常に口惜しい作品です。良いところもあるけれど突けばボロが山のように出てくる。やろうとしていることも褒めたいような貶したいような、非常に悩ましい作品であることは間違いないです。



17 . October
Sugar+Spice 応援バナー
Sugar+Spice! (Chuablesoft)  評価 ★★★

 *ネタバレが含まれるためゲーム本編終了後に読まれることをお勧めします。

  Chuablesoftの作品は初プレイでした。システム画面や女の子の私服なんかも含めてお洒落な作品。一番の見所はキャラ間の遣り取りを軸とした雰囲気の良さでしょう。ヒロイン同士がとても仲が良く主人公と共に和気藹々とした学園生活を繰り広げます。和やかな世界観が非常に心地好く、作品の大半を占める"ただの日常描写"がまったりと楽しめる。良い萌えゲーを満喫できました。

What are little girls made of?(女の子って なんでできてる?)
What are little girls made of?(女の子って なんでできてる?)
Sugar and spice(おさとうに スパイス)
And everything nice,(すてきなもの いっぱい)
That's what little girls are made of.(そんなもので できてるよ)


  基本的に話の大きな起伏は無く、キャラクター達の日常的な掛け合いを見てニヤニヤするのが正しい作品です。サブキャラ達も交えた数多くのエピソードが用意されているため各ヒロインの魅力を巧く引き出すことに成功しています。「スパイス」については少々物足りなかった感がありますが「おさとう」については物凄く楽しめます。惜しむらくは「すてきなもの」(ここはやはりエロスだろ)は薄味で満足出来るものでは無かったことでしょうか。

  導入部で主人公は記憶障害であり、作品世界観を何も知らないプレイヤーと同じ状況だったため主人公への感情移入は容易いです。記憶障害が原因となってプレイ期間前の主人公とヒロインとの関係が不透明ですが進めていくうちに徐々に明らかになっていき、記憶障害となった直接の原因も語られることになります。

  主人公の記憶障害をどのように解決するのか気になっていましたが、最終的に元の記憶は完全には戻らず事故後からヒロイン達と過ごした期間を重要視するという結論は好印象。逆であればプレイ期間中の出来事を否定してしまうことになりますし。寧ろ作品本編を否定してしまいかねないですからね。

  システムが少し特徴的で普通のADV形式に加えて、各季節ごとにMAP画面があり自由に見たいエピソードを選択できるものでした。To Heartシリーズ(Leaf)の様なキャラクター選択で話を進めていくものとは少し違った印象です。ゲーム内の期間は1年間で各季節に散りばめられたショートエピソードは数百となかなかのボリューム。しかし好きなときに告白ができるシステムが上記のシステムと巧く融合出来ていなかったという印象を受けました。一部、付き合いだしたヒロインが登場する日常エピソードで違和感を覚えることが多々ありました。ヒロインとのやりとりが付き合っているとは思えないほど淡白であったり、彼女の前で主人公が他のヒロインになびいたりと。それはねーよ、思う場面がチラホラと見られたのは残念です。この不満点を解消するにはフラグ管理とテキスト差分が物凄く増えてしまいそうです(例えばヒロインが三人登場するエピソードだと、誰とも付き合っていない状態、それぞれのヒロインと付き合っている状態の4通りの展開が考えられます)ので、有る程度は仕方ないと妥協すべきかもしれません。

  エッチシーンはそこらへんの萌えゲーと違わず非常に薄味です。個人的にはもっと力を入れて欲しいと感じました。ハモのねっとりフェラを期待したのはボクだけじゃないはず。と言うか淡白すぎて涙目です^^;

  お気に入りヒロイン:早乙女司(オトメ)
CVが金松由花さんの時点でノックアウトです。やたらとナチュラルな英語に驚きました。

※発売直後には新品での購入者にのみ修正パッチを公開し、中古での購入者にはサポート無しという対応にゴタゴタしましたが現在は中古品購入者にも修正パッチを配布しています。

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